先を行く同期との立場を逆転させるチャンスが到来
東京女子プロレスの来年イッテンヨン(1月4日、東京・後楽園ホール)のメインイベントで、坂崎ユカが保持するプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦する辰巳リカが初の同王座獲りを宣言した。
かつて坂崎とともに、音楽ユニットDPGで活動していた辰巳は、13年夏に坂崎から「一緒にプロレスをやろう」と誘われて同団体に入団しており、文字通りの同期対決となる。
辰巳はデビュー直後の2014年5月に左腕を骨折。2016年5月には左足、2018年7月には古傷の左腕を負傷し、3度の長期欠場を経験。それもあり、常に同期・坂崎の後塵を拝す格好となったが、「ユカちゃんを認めていたし、仲間だという気持ちが強かったので、ユカちゃんが頑張ってるのはうれしかったし応援してたので、ジェラシーを感じるようなことはなかった。初期の頃はずっと前を見てる状態でした。でも、ここ2~3年で実力がついてきて、ユカちゃんに負けない自分らしいプロレスができるようになってから自信になった。私はそこを伸ばしていこうと思うし、ユカちゃんは海外でも注目されて輝いているけど、私は自分の場所で輝こうと思っていた」(辰巳)と話した。
辰巳にとって、転機となったのは、昨年11月に渡辺未詩との白昼夢でプリンセスタッグ王座を奪取し約1年間、同王座を死守したことだ。「未詩とは長くタッグを組んで挑んだわけじゃなく、ベルトを獲ってから深まっていった。連係だったり、息だったり。タッグのベルトを1年守ってやっていけたからこそ、日が経つにつれ、自覚や覚悟が増していったし自信もついた」とコメント。
そして、辰巳は11月20日の東京・新宿FACE大会で坂崎、山下実優、中島翔子、伊藤麻希とのサバイバル5WAYマッチを制して、試合後にプリプリ王座への挑戦を表明。それを坂崎が受諾して、年始の後楽園での対戦を指定。7年余の月日を経て、ようやくその立場を逆転させるチャンスが到来した。
「あの5WAYマッチで勝ち抜いて挑む決意ができた。タッグベルトは東京ドームシティホール(11月7日)で失ってしまったけど、それは関係ない。タッグで自信がついたし覚悟も備わっていったように感じます。今の私ならもっと信じていいのかなって」(辰巳)と明かした。
辰巳は18年5月3日、後楽園で当時王者だった山下に挑んで以来、2年8カ月ぶりのプリプリ王座挑戦になるが、「あのときはタッグチャンピオンじゃなかったし、とにかく必死で、怖さのほうが強かった。後楽園のメインも初めてだったので、プレッシャーも大きかった。でも今回は余裕があるし、落ち着いてるし、恐怖より楽しみのほうが大きい。この2年でやってきたことの積み重ねがあるから。後楽園は神聖な場所だし、イッテンヨンがプロレス界にとって大事な日だと分かってます。それを踏まえても落ち着きがあるので不思議です」と前回との精神面での違いを感じている。