映画『花まんま』(4月25日公開)の完成報告会見イベントが31日、都内にて行われ、俳優の鈴木亮平、有村架純と前田哲監督が登壇。初共演の鈴木と有村が関西人同士ならではのメリットを語った。
作家・朱川湊人による、第133回直木賞受賞の短編集『花まんま』を初版からおよそ20年を経て映画化した話題作。
初共演で兄妹役を演じた鈴木と有村。大阪の下町で、両親を亡くしてから妹の親代わりとして生きる兄・俊樹を演じた鈴木が「びっくりするほど初日から兄妹感を感じられた。個人的に相性が良かったと思う」と言えば有村も「久しぶり、ただいまと言いたくなる空気感を作ってくださって初日から一切、壁を感じることなく兄やんとしていてくれた」と感謝し、前田監督も「2人はおそらく前世で兄妹だったと思います(笑)」。
「お互い関西人だったことも大きかった」と言う鈴木、有村をはじめ、前田監督やキャスト、スタッフの多くが関西出身者という本作。関西で作った映画ならではのポイントを聞かれた鈴木は「オール阪神・巨人師匠が出てること」。鈴木は、楽屋でギャグも教わったと胸を張り、前田監督に背中に手を当ててもらい「ニャー。これが猫背」。胸に手を当ててもらって「鳩胸」と、伝授された芸を披露し、隣で有村も大ウケ。
フミ子の結婚式で披露する俊樹のスピーチのセリフを「生々しいものにしたい」と、自らも考えたいと提案した鈴木。前田監督も「俊樹を演じながら亮平さんから出てきた言葉をもとに考えよう」と快諾したと言い、鈴木は「笑いを入れたかったんですよ。しんみりしそうになったらアカン、って笑いに走る関西人特有の感じを出したくて」とニヤリ。
兄から妹への思いがリアルにつづられる、涙と笑いなくしては見られないスピーチシーンに前田監督も「最終的には亮平さんの言葉になったと思う」と絶賛。
一方、有村は撮影前に鈴木のスピーチを「サッとだけ目を通した」と言い、本番で「ひと言ひと言、耳で聞いていくと、私たちって頑張って生きてきたんだと、無いはずの感情が生まれてきて、勝手に涙腺が緩んできた。今でも不思議なんですけど、あの場に神様が宿ったような感覚になりました」と感動シーンを感慨深げに振り返っていた。