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コロナで困窮世帯増…企業の防災備蓄食品をフードバンクへ 貧困支援と食品ロスに同時に貢献

2022.05.13 Vol.web original

 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が12日、社内の防災備蓄食品約5トンを一般社団法人全国フードバンク推進協議会に寄贈。目録贈呈式と会見を行った。

 富士フイルムビジネスイノベーションは、今年2月12日に日産スタジアムで開催された「FUJIFILM SUPERCUP 2022」(川崎フロンターレ対浦和レッズ)において、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と協働で、来場者から寄付された未使用の食品をフードバンク団体に寄贈するフードドライブを実施(フードドライブとは、家庭などで使いきれない未使用の食品を持ち寄り、まとめてフードバンク団体や地域の福祉施設、子ども食堂などに寄贈する活動のこと)。

 合わせて今回、同社内の防災備蓄食品、約5トン3万食分を、環境省の協力のもと、全国フードバンク推進協議会に加盟する、東京、愛知、岡山など全国8つのフードバンク団体に寄贈する。

 Jリーグで社会連携を担当する高田春奈理事は「J1リーグ戦王者と天皇杯覇者が対戦するスーパーカップでフードドライブを開催したことで、観戦に来た多くのサッカーファンが食品を持ち寄ってくれた」と手ごたえを語り、富士フイルムホールディングス株式会社の吉澤ちさと氏も「無駄を出さずに事業を行うことはビジネスをする上での参加資格と思う。賞味期限が過ぎる前に、社内の防災備蓄食品を寄付することで食品ロスにも貢献できる」と貧困支援に加えサステナビリティーの観点からも意義が大きいと語った。

 全国フードバンク推進協議会の米山廣明代表理事によると現在、全国のフードバンクの在庫が減少しており「空っぽになった」という声もあがっているとのこと。米山氏は「以前は、日本に貧困はないという風潮だったが、今はコロナの影響もあり、誰もが貧困に陥る可能性があるという認識が広まった。こういった活動の認知度も向上し、食品寄贈も増えているが、それ以上に困窮者が増えていて、フードバンクが“空”になっているようだ」と話した。

 また米山氏は「スポーツ団体などと連携して困窮家庭の子どもを支援する活動も行っているが、現場の人によると、保護者から、お弁当が用意できないので大会を休むという連絡をもらうこともあるという。経済的な理由でスポーツを始められない、途中であきらめなくてはならないという子どもたちも少なくないことを知ってほしい」と、スポーツを通して支援するJリーグの取り組みを高く評価。

 また「これまでにも食品企業からこういった支援を頂いているが、今回のように、食品関係以外の企業も、備蓄食品の寄贈やフードドライブの実施など、さまざまな形で支援に参加していただけたら」と幅広い企業の参加に期待を寄せた。

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