全国のTSUTAYAと蔦屋書店の店員が選ぶ『第3回 TSUTAYA えほん大賞』の受賞式が26日、代官山の蔦屋書店で行われ、数多くの人気作品を世に送り出しているヨシタケシンスケ氏の『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』が1位に輝いた。2位は鈴木のりたけ氏の『大ピンチずかん』、3位は柴田ケイコ氏の『パンどろぼうとなぞのフランスパン』、新人賞に阿部結氏の『なみのいちにち』が選ばれた。
ヨシタケ氏は受賞を感謝したうえで、「普段生きていて、いいこともあるけど悪いこともあるな、どちらかってことはないなって思いが常々ありまして、『いいこともあるけど悪いこともある』『悪いこともあるけどいいこともある』というふうに、いいことも悪いことも自分が受け取る順番なんだなと。そういう世の中の在りようみたいなこと、ままならなさみたいなものをそのままの形で本に出来ないかと思っていました。それを今回こういう形で本にできたことがうれしい」と、コメント。
また「絵本というもののジャンルの懐ろの深さ、奥の深さを感じることができた」とし、「この先もこういう形でなかなか変なテーマを変な形で本にして、本を見てくださった方々に素敵な苦笑いを提供できるような本ができたらと思います」と、話した。
プレゼンターを務めた横澤夏子は受賞作について「一枚めくるごとに面白い気持ちになったりグッと泣けるときもあって、この繰り返しすごいなって。でも分からないという気持ちは一切ないんです。いま娘がスリッパが大好きでスリッパをめっちゃ食べているんですけど、その種明かしというか、娘はこういう気持ちだったのねって。いろんな世代、どんな人でも当てはまるページがあって、背中を押されたというか……すごく毎日大変だけど私はこの絵本に出会えたから幸せって気持ちで頑張ろうと思う作品でした」と、感想を述べた。