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建築家・隈研吾が語る「これからの建築家に必要な視点」SDGs週間に“子どもが考える住み続けられる街”アイデアを審査

2022.09.24 Vol.web original

 SDGs目標年である2030年に向け、子どもたちが平和で豊かな未来の社会モデルについて話し合い、発表し合う場として2021年に始まった「こども未来国連会議」(主催:一般財団法人ピースコミュニケーション財団/東京都渋谷区 代表理事・一木広治)。来年3月の開催に向け、豊島区の小学生を対象にした「住み続けたくなる未来の豊島区」SDGsアイデアコンテストの結果発表が23日、都内にて行われ、建築士の隈研吾氏が選んだグランプリに、AIやドローンといったテクノロジーや池袋のコミュニティーバスを活用したフードロス改善案を盛り込んだ給食センターのアイデアが選ばれた。

 審査員を務めた建築家・隈研吾氏に、選考理由やSDGsを意識したこれからの建築について話を聞いた。

― グランプリに選ばれたアイデア「誰もが毎日おいしい給食を食べられる街、SDGs給食センターの提案」は、AIやドローンといったテクノロジー、池袋のコミュニティーバスIKEBUSを活用した食材回収などでフードロス改善を目指すというものでしたが、受賞理由を教えてください。

「“食”はコミュニティーにとって、とても大事な要素です。とくに今後、コロナ後に人間の健康がより重要視されるようになる中、“食”はコミュニティーの絆を作り、人々をつないぐ要素としても重要になっていくと思います。受賞アイデアは、コミュニティーの絆にとっても“食”が重要であることを、子どもながらに気づいている。きっと、社会に対する観察力、直観力を持ったお子さんではないかなと思います。加えて、単に、どんな建物かというだけでなく、給食センターという具体的なシステムにまで言及し、フードロス問題を改善する仕組みとともに提案しているところがさらに素晴らしいと感心しました」

― 今回のコンテストはSDGs目標年である2030年に大人になっている世代が“サステナブルな街づくり”を考えるという趣旨の企画ですが、隈氏は建築家としてどのようにSDGsをとらえていますか?

「これまで建築家というのは“形のきれいな建物をデザインする人”というイメージを持たれることが多かったと思います。ですがこれからは、その建築がどんなふうに環境に貢献できるかという視点を持ったデザインが求められる時代が来ている。SDGsは、環境問題以外にも多様性など、さまざまなテーマの目標が掲げられていますので、建築家も幅広く目を配ることが必要だと思っています」

― 隈氏が自然素材を用いることの意義とは。

「自然素材を使うのは、木材に二酸化炭素を吸収させるというということだけではなく、自然素材が人々に与える力を感じているからなんです。自然素材には、人間のハートに訴えかける力がある。人の心を落ち着かせ、空間の雰囲気を和らげていく。自然素材とは、そういう社会的な広がりを持つ建築の要素だと思っています」

― 国立競技場のようなシンボル的な建築も手掛ける一方で、鍋島松濤公園の公共トイレのデザインも。ユニバーサルトイレや幼児用トイレなど、5つの“小屋”はそれぞれ多様なニーズに対応するトイレとなっています。

「一般的に公園の公衆トイレというと、コンクリートの塊として建っているイメージですが、この緑豊かな場所では、トイレを小さな小屋の集合体として作ってみたいと思ました。そう考えたとき、単に女性トイレ、男性トイレという分け方を超越して、それぞれの小屋がさまざまな多様性に対応するというアイデアを自然と思いたんです」

― 多様性を意識すれば、さまざまな立場の人が快適に利用できる建築物となる。

「建築物の中で、トイレや喫煙室などは、たいてい一番場所の悪いところに置かれがちですけど(笑)。僕は、多様性のある社会では、そういう場所こそさまざまな立場の人がリラックスできる空間になるといいなと思います。鍋島松濤公園のトイレのように、人を癒す隠れ家のような魅力を備える喫煙室のデザインなどもしてみたいですね。今は、路上で喫煙できない時代ですから、建築物の中で必要な要素として、建築家も意識して作る必要があると思います」

― 最後に、SDGs目標年である2030年に大人になる、今の子どもたちへのメッセージをお願いします。

「21世紀の今、世界ではコロナや戦争など社会が大きく変わる出来事が起きています。そんな中で、君たちが生まれたコンクリートの都市が再び見直されようとしています。これまでの前提条件を全部忘れて、本当に人間のためになる都市とは何か、社会とは何かを考えながらこれからの人生を生きていってほしいです」

豊島区で23日に「こども未来国連会議」 小学生が未来の豊島区の姿をプレゼン

2022.09.20 Vol.Web Original

 豊島区の小学生を対象にした「豊島区こども未来国連会議」が23日、豊島区役所で開催される。ワークショップ型のイベントで、「住み続けたくなる未来の豊島区」の姿を、子どもと大人が一緒に考える。

 ワークショップでは、グループに分かれ、テーマである「住み続けられる未来の豊島区」のアイデアを出し、それをもとに考えをまとめ、話し合う。最後にチームごとのプレゼンテーションが豊島区役所内の議場で行われ、審査員、そして子どもたちがそれぞれ評価し、優秀賞を決定する。

 当日はまた、「住み続けたくなる未来の豊島区」をテーマに開催したアイデアコンテストの、豊島区長賞、建築士の隈研吾氏が選んだグランプリも発表される。

 審査員は、豊島区の副区長の高際みゆき氏、豊島区教育長の金子智雄氏、SDGs未来都市推進アドバイザーで、主催の一般財団法人ピースコミュニケーション財団の代表理事の一木広治氏が務める。さらに、早稲田大学理工学術院の教授の朝日透教授、株式会社オウルズコンサルティンググループのコンサルタント/ソーシャルPRスペシャリストで、Deloitte Digital Collaboratorの若林理紗氏、WORLD ROAD株式会社の共同代表の平原依文氏が審査員およびコミュニケーションサポーターとして参加する。司会は、ジャーナリストでキャスターの堀潤氏が担当する。

 朝日氏、若林氏、平原氏、堀氏は、一般財団法人ピースコミュニケーション財団評議員を務めている。

「こども未来国連会議」は、一般財団法人ピースコミュニケーション財団が、SDGs達成の目標年である2030年に向け、子どもたちが平和で豊かな未来の社会モデルについて話し合い、発表し合う場として2021年にスタート。これまでに東京で2回開催されており、先日、大阪でも初めて開催された。

ついに池袋の東西が融合か 豊島区制100周年に向け“駅ぶくろ”から完全脱却

2022.01.17 Vol.web original

 豊島区「池袋駅東口と西口をつなぐウォーカブルなまちづくり」記者会見が17日、同区役所にて行われ、高野之夫豊島区長や建築家・隈研吾らが登壇。2014年から進めてきた再開発の最終的段階となる、区制100周年へ向けた今後の開発予定について説明した。

 冒頭、高野之夫豊島区長は「私が区長に就任した当時、厳しい財政難に直面しておりました。区の明るい未来を作るには文化を中心とした街づくりしかないと考え、隈研吾氏を豊島区都市政策顧問に迎え、再開発を進めてきました」と、2014年から段階的に行ってきた再開発を振り返った。

 2014年からは旧庁舎周辺エリア(現在Hareza池袋など)と南池袋公園付近の新庁舎エリアをつなぐ「ダンベル型のまちづくり」計画を、2019年からは池袋西口公園や南池袋公園、中池袋公園、イケ・サンパークといった「四つの公園を核としたまちづくり」計画を実行。再開発計画の一環である新庁舎も財政負担ゼロで建設している。

 高野区長は「池袋駅は大ターミナルですが、以前から、人が駅から街に出ない“駅ぶくろ”と言われてきました。いかにして駅から街に、回遊性を促すかという長年の課題を、いま乗り越えようとしています」と話し、今後の展望を紹介。

 高野区長は「西口は小規模な地権者が多く開発が遅れてきたが、そういった“ごちゃごちゃ”とも見える雑多性は池袋の大きな魅力であり強み。そういう池袋らしさを残した街づくりを進めていきたい」と話し、隈氏も「私が関わるようになった当初、豊島区は“消滅可能性都市”とも言われネガティブなイメージがありましたが、私は、池袋の多様性や複合性、サブカルチャーの熱気など潜在力を感じており、こういったこれからの街づくりに必要な要素をうまくつなぐことができれば、豊島区はむしろリーダーになれると思いました」と振り返った。

 今後予定している「東西のシンボルストリートを中心としたウォーカブルなまちづくり」計画では、池袋西口のアゼリア通りと乱歩通り、東口のグリーン大通りというメインストリートを軸に西口東口をつなぐ歩行者動線を整備。中央地下通路に加え北デッキの設置、駅前周辺の広場化(歩行者広場・交通広場)などにより、駅東西をつなぎ、エリア全体の回遊性を飛躍的に向上させる狙い。

 また、以前から区も要望してきた副都心線東池袋駅の設置についても高野区長は「開発により、乗降客も大きく増えると見込める」と構想。

 豊島区では、これらの計画を区制100周年をめどに実現したい考え。高野区長は「長年の課題であった“駅ぶくろ”からの完全脱却を実現したい」と意気込みを語った。

SDGsを達成した街はきっとこんな街!「SDGsピースコミュニケーションシティ」第1期区画がスモールワールズ TOKYO内に完成

2022.01.15 Vol.Web Original


 国内最大級のミニチュアテーマパーク「スモールワールズ TOKYO」に、未来の街をミニチュアとして具現化する「SDGsピースコミュニケーションシティ」の第1期区画が完成、14日にお披露目された。

「SDGsピースコミュニケーションシティ」は、世代や業界を超えて有識者や企業、団体が供にSDGsを達成する未来に集う『BEYOND 2020 NEXT FORUM』(内閣府認証事業)が行う「ピースコミュニケーションプロジェクト」の一環で制作。「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標を達成する街をイメージした1/80の小さなの街で、子どもたちと有識者・企業が共にSDGsを達成する未来に向けてアクションを起こすプラットフォームとなる。

 完成した第1期区画は、2021年に開催したアイディアコンペでグランプリに輝いた赤木千梅さんのメインタワーのデザイン案「地球の環(わ)」の周辺エリアで、賛同企業・団体も企画出展。SDGsのテーマのもと、未来のサステナブルな都市をイメージし、お年寄りや子ども、人と暮らす動物たち、芝生でくつろぐカップルや車いすで散歩する人のほか、「第1回こども未来国連会議」(2021年3月27日開催)に参加した世界のこどもたちの3Dフィギュアも配置し、多様な人々が集まり輝くことができる、ダイバーシティ&インクルージョンを実現している街を表現している。「こども未来国連会議」の開催と共に毎年成長させていくという。

 メインタワーのコンペの審査員は、建築家・隈研吾氏やアーティストでUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)親善大使を務めるMIYAVI、大阪大学教授で前国連大使の星野俊也氏らが務めた。

1137日間にわたる国立競技場建設ドキュメント『国立競技場 Construction』

2021.07.19 Vol.743

 いよいよ始まる東京オリンピック・パラリンピック。その主会場となるのが、建築家の隈研吾氏が設計を手がけた「国立競技場」(=オリンピックスタジアム、新国立競技場)である。同所が誕生するまでの一部始終を、定点カメラにより撮影した写真集が『国立競技場 Construction(コンストラクション)』(一般社団法人共同通信社著、河出書房新社刊)だ。

 刊行する河出書房新社の所在地は、新しい国立競技場の目の前。同社の好立地を生かし、共同通信社が建設に向けた準備工事の始まった2016年10月から完成した2019年11月まで24時間、1137日間にわたって屋上にて定点撮影した。トータルで約16万枚にも及ぶ膨大な写真の中から厳選し、日本を代表するスタジアムが完成するまでのドラマを克明に描き出す。

幸せで笑顔になれる街を作ろう! BEYOND 2020 NEXT FORUM が子どもたちとSDGs プロジェクト「子ども未来国連」の開催も

2021.02.02 Vol.Web Original

 世代や業界を超えて有識者や企業、団体が集う『BEYOND 2020 NEXT FORUM 』は、平和な社会づくりにチャレンジするために、子どもたちと一緒に3つのプログラムに取り組む。

 有明にある世界最大級のミニチュアテーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」内に、「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標を達成する街として「SDGs ピースコミュニケーションシティ」を作る取り組みで、街のアイデアや街のシンボルとなるタワーのデザインアイデアは子どもたちから募る。建築家の隈研吾氏、星野俊也前国連大使、アーティストのMIYAVI、SMALL WORLDSの近藤正拡社長、BEYOND 2020 NEXT FORUM実行委員会の一木広治代表理事が審査する。 

 審査員を務める隈研吾氏は、「若い皆さんから従来のタワーにはない、やさしくて、あたたかいBeyondコロナに人をいやしてくれるようなイメージのタワーの提案を楽しみにしています」と、エールを送っている。

 2021年3月27日には、SMALL WORLDS TOKYO 内のワールドラボで、「みんなで考える未来の地球『子ども未来国連』会議」(内閣府認証事業 外務省後援)も開催される。同会議は、世界の子どもたちが集まり、平和で豊かな世界について表現し語り合う「ピース・コミュニケーション」の場となる。  SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール、169のターゲットで構成されている。 「 SDGsピースコミュニケーション」は、未来の子たちのために、有識者や企業・団体が業界の壁を超えて連携、ネットワークや情報を共有し、コミュニケーションの力を駆使して平和な社会づくりに積極的にチャレンジするアクション&オピニオン参加型のプロジェクト。

【募集】1/80の世界にみんなで作るSDGsピースコミュニケーションシティメインタワーのアイディア募集

2021.02.02 Vol.web original

 世代や業界を超えて有識者や企業、団体が集う『BEYOND 2020 NEXT FORUM 』は、平和な社会づくりにチャレンジするために、子どもたちと一緒に3つのプログラムに取り組みます。その一つとして、コミュニケーション本来の力を駆使して平和的な社会を創ることを目的とした「SDGsピースコミュニケーションシティ」を1/80ミニチュアで創り、子どもたちと有識者・企業が共にSDGsを達成する未来に向けてアクションを起こすプラットフォームとするため街のシンボルとなるメインタワーのアイディアを募集します。

【募集】1/80の世界に実際にみんなで創る 新たなSDGsピースコミュニケーションシティ アイディアコンテスト!

2021.02.01 Vol.web original

 世代や業界を超えて有識者や企業、団体が集う『BEYOND 2020 NEXT FORUM 』は、平和な社会づくりにチャレンジするために、子どもたちと一緒に3つのプログラムに取り組みます。その一つとして、SDGsが目標とする2030年の世界を率いて行くのは今の子ども達。その子ども達が「住みたい」と思う街はどんな街なのでしょうか? 子ども達のアイディアを集めてミニチュアのテーマパークSMALL WORLDS TOKYO内に1/80のミニチュアとしてSDGsピースコミュニケーションシティを創ることになりました。その街をSDGsピースコミュニケーションの発信プラットフォームとして、子ども達が探究することでSDGsピースコミュニケーションを知り、考え、議論に参加できる場所とします。

圧巻の「本棚劇場」をグランドオープン前に体験できるツアーがスタート

2020.08.19 Vol.web Original

 埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアムにて、現在11月6日のグランドオープンにむけて図書の配架作業がすすむ、 4階「本棚劇場」の見学ツアーを、 9月4日より「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生 ― 石と木の超建築」展の開催期間中、 金・土限定にて実施する。

埼玉・所沢に「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」がオープン

2020.07.31 Vol.web Original

 アート集団チームラボがプロデュースする「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」が、埼玉県所沢市に8月1日から常設展示される。同展示は、ところざわサクラタウン内、「角川武蔵野ミュージアム」のプレオープンに合わせて併設する東所沢公園 武蔵野樹林パークに設置された。また、隈研吾がデザインを担当したカフェも同時オープンする。

世界で5番目となるスタバの新型店舗が中目黒に誕生。「ここはコーヒーのワンダーランド」

2019.02.27 Vol.Web Original

 スターバックスコーヒーの新業態店舗「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京(以下、ロースタリー 東京)」のプレスカンファレンスと内覧会がオープン前日となる27日、中目黒にて行われ内観や目玉メニューなどがお披露目された。

 ロースタリーは、2014年にシアトルに誕生した「スターバックスの妥協を許さないコーヒーイノベーション」を表現した店舗。日本初上陸のロースタリー 東京は上海、ミラノ、ニューヨークに続き世界で5番目の出店となる。4階吹き抜けの開放的な空間では各階ごとに異なるコーヒー&ティー体験を用意。1階はメインバーと日本初上陸となるイタリア「プリンチ」のベーカリーなど、2階はスターバックスのなかでも世界最大級となるティー専門バー、3階は日本のスターバックスで初となる本格的バー、4階はコミュニティー向けラウンジとなっている。

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