青年団が大晦日から東京オリンピックを控えた日本を舞台としたスポーツがテーマの短編作品の二本立て公演を行うこととなった。
『コントロールオフィサー』は水泳のオリンピック代表を決める日本選手権終了後のドーピング検査控室を舞台とした作品で、2016年に三重県の津あけぼの座の開館10周年記念公演の一つとして書き下ろされたもの。2019年2月の「平田オリザ・演劇展 vol.6」でも上演され大きな反響を呼んだ。この上演をきっかけに陸上競技をテーマに描いた『百メートル』とともに米ニューヨーク公演や北米ツアーを行う予定だったのだが、新型コロナウイルスの影響でやむなく中止に。国内での公演も延期されていたのだが、今回ついに上演されることとなった。
『コントロールオフィサー』はドーピング検査室で尿が出るのを待っている男たちのどうしようもなく情けない物語。『百メートル』は代表を決める決勝前の緊張する密室空間を描いた物語。オリンピック前に見られて良かったとしみじみと思わされる作品だ。