日本と韓国の男女7人の恋が交差する、群像劇を描く『知らない、ふたり』が公開される。心を閉ざした靴職人見習の韓国人青年・レオン。そんな彼を慕う小風を演じるのが、ファッションモデルとしてカリスマ的人気を誇り、女優としての活躍も目覚ましい青柳文子。
「最初に台本を読んだときは、今泉監督がまた恋愛の細かい事を描こうとしているなって思ったんですけど、出来上がったらすごいドラマになっていた(笑)。試写の時泣きながら静かに深く感動しましたね。登場人物全員の心の動きを繊細に丁寧に撮っているので、感受性とか読解力とかが試される映画だと思います」
青柳が演じた小風は、思いを寄せる人をひたすら見守る女の子。
「小風さんは自分の中の哲学がはっきりしている人。なんでも伝えたらいいというものじゃないと思っている。伝える事で相手が困ることもあるだろうし、期待に応えないといけないと思わせることも。ごめんねっていう気持ちにさせて知らず知らずのうちに傷つけちゃうとか。そういう心を揺らすことさえもしたくないほど、相手を思っているんです。伝えることは自己中心的なことでもあり、小風さんはそんなわがままをしない人です。でも気になってレオン君の後をつけたりしちゃうんですけど(笑)」
どんな人に見てほしい作品?
「恋愛にちょっと悩んでいる人とか、好きだっていう気持ちが揺らいでいる人。腑に落ちる部分があるし、感情を整理できるんじゃないかな。いろいろな人の複雑な感情が描かれているので、こういう価値観もあるんだなって思える。また、優しさとは、人を思いやるとはどういうことなのかを、じっくり考えられる作品です。じわじわ効いてくる映画なので、じっくり味わってみて下さい。個人的な見どころは私の流暢な韓国語。4個ぐらいセリフがあるんですけど、韓国語っぽく聞こえると思うので注目して聞いてみて(笑)」