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野球賭博関与の巨人・高木京投手に1年間の失格処分

2016.03.25 Vol.663

 日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーは22日、プロ野球巨人の高木京介投手(26)を野球賭博に関与したとして1年間の失格とし、巨人に制裁金500万円を科す処分を発表した。

 NPBの調査委員会によると、高木投手は笠原元投手に誘われ、平成26年4月末から5月上旬にかけてプロ野球の8、9試合に賭けたが、関与した期間は10日間ほどで、その後は野球賭博や裏カジノへの誘いを断ったなどとしている。
 昨年11月に野球賭博に関わっていたとして処分を下された福田聡志(32)、笠原将生(25)、松本竜也(22)の元3投手は無期失格処分だったが、賭博への関与が短期間だったことなどが明暗を分けた。

 一方、巨人は同日、処分を下された高木投手との契約を解除したことを明らかにした。

 巨人の久保博球団社長は22日、都内で会見を開き、「開幕直前の時期にファンの期待と信頼を大きく損なうことになった。改めておわびしたい」と陳謝した。

 契約解除となった高木投手はプロ野球のあらゆる活動に1年間は参加できない。またNPBと提携する米国、韓国、台湾、中国の各リーグとも契約はできない。国内の独立リーグなどに規定はないが、NPB関係者によると「常識的に契約するところはない」としており事実上、不可能といえる。

 1年後に球界復帰を目指す場合は、処分時に所属した巨人に対して復帰申請を提出。コミッショナーが正当と判断した場合に申請が受理される。

 また巨人は、その後の球団の調査で、選手ら14人が賭けマージャン、42人が賭けゴルフ、23人が賭けトランプをしていたことが判明。試合前の円陣での声出しをめぐる現金のやり取りについては36人が「参加した経験がある」と答えたという。

 この間、他球団も新たに現金授受があったことを相次いで発表。

 円陣での「声出し役」に絡む金銭のやりとりについては巨人のほかに阪神、広島、ソフトバンク、ロッテ、西武、楽天の6球団で行われていたことが分かった。

 22日には阪神、西武、ヤクルト、ソフトバンクが新たに現金授受行為が判明したと発表。阪神とヤクルト、ソフトバンクでは高校野球を対象に選手が現金をやり取りしていたほか、阪神とヤクルトでは公式戦でのドーピング検査対象者に「お疲れ様代」などとして1人5000円ほどを集め、渡していた。西武では球団関係者1人が25年に、笠原元投手や飲食店経営者の男性と賭けマージャンをしていたという。

 NPBでは引き続き調査委で全容解明に向けた調査を継続。熊崎コミッショナーは選手に自己申告を促す期限付きの特別措置を検討していることを明らかにし、「言いやすい手続きを作ってやらないといけない」と話している。

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