スキタイから独立まで…ウクライナの歴史を紐解く
2月24日に開始されたロシアによるウクライナへの軍事侵攻がいまだに続いている。ウクライナとロシア両国に対する関心が高まりを見せ、関連書籍を集めた特設コーナーを設ける書店が増えている。
中でも売れているのが、2002年刊行の元駐ウクライナ大使の黒川祐次氏による『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(中公新書)。1996年に駐ウクライナ大使に任命された著者は、農業国のイメージで赴任したウクライナが実際に暮らしてみると〈複雑で非常に懐の深い大国〉と感じるようになったと述べる。
スキタイ、キエフ・ルーシ、コサック、ロシア・オーストリア両帝国の支配、ソ連の時代を経て1991年の独立までがまとめられ、同国の将来性についても〈ウクライナがどうなるかによって東西のバランス・オブ・パワーが変わるのである〉と予見している。
〈日本においてもウクライナが「発見」されるべき〉として書かれた本書は、今こそ日本の読者にも「発見」されるべきだろう。