先日、とある番組の撮影で福井県に行きました。夏真っ盛りの時期だったので、車から降りて撮影場所に行くまで、ほんの数分歩いただけで汗が噴き出します。普段はあまり汗をかかないのですが、もう背中なんかはダラダラでした。
撮影は越前打刃物の取材だったので、鍛治職人さんの工場にお邪魔しました。間近に見る職人技に見惚れましたが、「鉄は熱いうちに打て」です。工場の釜の周りは大変な暑さ。サウナのようで、顔からも汗が出ます。その中で、一つ一つ、手作りで鎌を作っていらっしゃる。でき上がった鎌の試し切りをさせていただきましたが、切れ味のなんと素晴らしいこと!
私が馬にあげる雑草を切る時に使っている鎌とは、切れ味が全然違いました。刃が良いので、切る時に引っかからなくて、少ない力でサクッと刈り取れて、感激もの! ストレスなし! それから、もう一つ感激したのがステーキナイフ。こちらも少しの力でスッと切れます。切った面が滑らかなので、舌に乗せた瞬間に肉汁、お肉の味を楽しめました。これには驚いたぁ! 今まで使ったナイフはなんだったんでしょうか! きれいな断面のステーキをパクパクといただきつつ、次に思ったこと。‥‥っということは、切れ味の良い包丁で作ったお料理は、味もさらに良く感じられるっということ?!
舌触りが良くなると、味付けは同じでも、やっぱり何かが違ってくると思うのです。ステーキナイフの切れ味に感激した私は、その工場で作っていた、見た目もまるで刀のように美しい包丁を買ってみました。送ってもらって、いざ使ってみると、手の力はいらなくて、包丁の重みで切れていくような感じといったらいいのでしょうか?! この時も、今までの包丁は何だったんだ? です。でも包丁に、お前さんにおいらが使いこなせるかい?と言われているようで、お料理の腕を上げないと申し訳ない気分にも(笑)。複雑だわ。