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ここが変わった!“戦(いくさ)”の1年、激動の3年間を過ごした2022年のエンタメ業界を、改めて振り返ってみた【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記 番外編】

2023.01.11 Vol.web Original

 ひっそりと2年連続の喪中なので、新年のご挨拶を控えておりますがお許し下さい。本年も宜しくお願い致します。

 さて、喪中にかけるワケではないのですが、あまりにも多くの人を失ったエンタメ業界。弾き語りの歌ネタで有名なお笑い芸人AMEMIYAさんが、年末年始のネタ番組で「聞いてないよ!」と歌い上げた姿に、スタジオ中が絶句し目を潤ませる姿に、テレビの前のこちらも涙が止まりませんでした。

 あらゆる業界が、同じ苦しみを味わったであろうここ数年、筆者のいた界隈「エンタメ業界で何が起こっていたか」を振り返ってみます。

去年に引き続いてしまいますが「やめ放題な空気」

 2021までは、コロナ禍を発端とした「非常事態の緊急対応」だったはずなのに、そこから「何かあれば中止」という風潮が常態化してしまったのが、この1年だった気がします。

 発熱者が出たから、戦禍で不謹慎だから、セクハラ、パワハラ、恋愛スキャンダルまで「臭いものには蓋をする」時の様なテンションで、多くのエンタメが延期や中止を“簡単”に決断し、それを観て頂いている観客の皆様にも、どこか諦めムードというか「そういうもの」という感覚がまん延してしまっているのが“やる側”には、諦めを越えて絶望に近いムードを漂わせていました。“ナカのヒトたち”は、全員、苦渋の決断をされたんだろうけど、見え方としてはこう。

 ハリウッドとかブロードウェイはそういうハプニングに備えて、絶対にダブルやサードを準備しているんだけど、今の日本のエンタメ業界でそれをしようとしたら、単純に3倍のお金がかかるから、まったく現実的じゃない。

 お金ってとても大事なので、それを損得勘定してくれる“制作”側の立場も、一生懸命働いた対価を観劇に使ってくれる方々の気持ちも凄くわかるし、必然的に「優先順位」が低くなることも理解できてしまうので、真ん中にいる演者は「自分たちのやっていることの意味」を見失いそうになることが多かったんじゃないでしょうか。俺もそうだったし。

 今年のエンタメ業界は「簡単にやめられる」「中止でもしかたない」から脱却し、「イツナンドキ、そういう事態が起こってもお客さんをガッカリさせない体制」を構築するフェーズに入ったらいいですね。

 ショーマストゴーオン、「やるっていったらやる」という、エンタメの本質を取り戻す戦いを始めないといけなさそうです。

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