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キエフにとどまるソ連生まれのウクライナ人女性に8bitNewsの堀潤氏がインタビュー「なぜ避難しないのか?」

2022.03.12 Vol.Web Original

 ニュースメディア「8bitNews」の公式YouTubeで3月11日、ジャーナリストの堀潤氏によるキエフにとどまるウクライナ人女性とのリモートでのインタビューが公開された。(撮影:Alex Chan)(英語翻訳:Maiko Kawamoto)

 この女性はソビエト生まれのウクライナ人Irynaさん。Irynaさんは今回のロシアのウクライナ侵攻が始まる前は事業コンサルタントの仕事をしていたが、現在はもちろんその仕事はストップ。キエフから避難する人も多い中、堀氏の「なぜ避難しないのか? その理由は?」という問いに彼女は「自分の祖国であり、故郷であるこの地に残ることが自分の役割、責務だと感じている」と話す。

 彼女は仲間とともにボランティアとして人々に食料や医薬品を届ける活動をし、街中に取り残されたペットたちにも気を配る。その生活は家とシェルターを行き来し、毎晩3~5回の空襲があることから夜もいつでも逃げられるように洋服を着たまま眠るという過酷なもの。それでもこの地を守るとの決断は「揺らぐことはない」と言い切る。

 堀氏がロシアが核兵器の使用をほのめかしていることについて聞くと「プーチンは常軌を逸している。核爆弾の影響は地球全体に及ぶ。そうならぬよう世界中の人々がロシアに大きな圧力をかけることが非常に重要。プーチンが実際に核兵器を使えば、その被害はウクライナだけではなく全人類に及んでしまう。ここでプーチンを止めなければ、彼は今後さらにさまざまな国の侵略・占領を企てていく。ウクライナは最初の標的に過ぎない。世界が協力してプーチンを止めなければ」と訴えた。

 そして日本人へは支援のお願いとSNSなどさまざまなメディアでの発信といった切実な要望を語ったのだが、その一方で「この戦争が終結したら…」と意外なメッセージも贈った。

「8bitNews」は堀氏が代表を務める、世界各地の市民記者による情報を発信するニュースメディア。公式YouTubeにて「ウクライナ危機、現地ルポ」シリーズを公開中。
 
【「ウクライナ危機、現地ルポ」第13弾 「私はソ連生まれ」ウクライナ人の女性が今世界に伝えたいこと、そして日本人に話したい想い #StandWithUkraine #Ukraine】

「人道回廊」の現実 橋は砲撃で破壊、子供を乗せた車も攻撃…ロシア軍侵攻地域の惨状を8bitNews現地記者が取材

2022.03.08 Vol.web original

 ジャーナリストの堀潤氏がニュースメディア「8bitNews」の公式YouTubeにて、ウクライナの首都キエフから届いた現地ジャーナリストによるリポートを配信。8日未明に公開された第12弾の最新リポートでは、現地時間7日午前に、ロシア軍が侵攻中の街イルピンに入り、戦場となった街の惨状を伝えている。

 8bitNewsでは、ロシアによるウクライナ侵攻前夜の2月23日から、現地入りした香港人ジャーナリストKaoru Ng氏による現地リポートを公式YouTubeにて配信。

 この日、激戦地ブチャを目指そうとしたKaoru氏だったが、道はロシア軍によって封鎖されており、まずは南側を迂回し、激しい攻撃の末、ロシア軍に占領されつつあるイルピンの街へ。途中、Kaoru氏がロシア軍の厳しいチェックを受け「かろうじてロシア軍から解放されました。もしかしたら逆にウクライナ軍に撃たれるところでした」と、緊迫する最前線の様子を伝えるシーンもあった。

 なんとかイルピンの街に入ったKaoru氏だが、目の前には戦場となった街の無残な光景が広がる。イルピン川にかかる橋は砲撃によって破壊され、避難者は寄せ集めたガレキの上を歩いて渡らないと川を越えることができない様子。

 街のあちらこちらから煙が上がり、ときおり砲撃らしき音が響く。道路には、人々が乗り捨てた車が散乱。中には、手書きで「子ども」と書かれた張り紙をつけた車も。それでも攻撃に巻き込まれたのか、車内に残るチャイルドシートに、割れたガラスが散乱していた。

 ロシアは避難者のための「人道回廊」設置を掲げたが、Kaoru氏のカメラは、寸断された道と、大きな荷物を持って歩くしかない避難者の姿をとらえている。

「8bitNews」は堀氏が代表を務める、世界各地の市民記者による情報を発信するニュースメディア。公式YouTubeにて「ウクライナ危機、現地ルポ」シリーズを公開中。

【「ウクライナ危機、現地ルポ」第12弾 ロシア軍支配地域に入った 砲撃続く首都近郊の街でみた惨状 突然目の前にロシア兵が #StandWithUkraine】

「政府が私たちを衝突させている」キエフに広がる疑心暗鬼…血だまり残るテレビ塔砲撃現場を8bitNewsがリポート

2022.03.05 Vol.web original

 ジャーナリストの堀潤氏がニュースメディア「8bitNews」の公式YouTubeにて、ウクライナの首都キエフから届いた現地ジャーナリストによるリポートを配信。第11弾の最新リポートでは、現地時間3日午後にキエフ市を取材。血だまりが生々しく残るテレビ塔の砲撃跡や、ロシアの原発施設への攻撃に対する市民のコメントを伝えている。

 8bitNewsでは、ロシアによるウクライナ侵攻前夜の2月23日から、現地入りした香港人ジャーナリストKaoru Ng氏による現地リポートを公式YouTubeにて配信。

 5日未明に公開された第11弾では、Kaoru氏が、1日にロシア軍に攻撃され6名の死者を出した、テレビ塔の砲撃現場の様子を撮影。破壊されたテレビ塔周辺にはガレキが散乱。人影は見えないものの、地面には血だまりが…。おびただしい出血量のようだが、犠牲になった人の安否が気にかかる。

 さらにキエフ市内の取材を続けるKaoru氏。街中に放置されたある事故車の中には、なぜか偽のナンバープレートが。ロシア側のスパイが潜入しているという話もあり、市民の間にも疑心暗鬼が広まっている様子。取材中には、Kaoru氏が警棒を持った市民の女性に止められ、身分確認されるハプニングも起こった。

 一方、Kaoru氏は、希望を失わないキエフ市民の声も伝えた。犬を散歩中の女性は「私は(ウクライナとロシアの)人々自体は友好的だと思っています。政府の行いが間違っている。政府が私たちを衝突させているんです」と訴え、子供を連れた夫婦は、ロシア側の原発施設への攻撃に対しても「ウクライナの勝利を信じている。ここから離れるつもりはない」と話していた。

「8bitNews」は堀氏が代表を務める、世界各地の市民記者による情報を発信するニュースメディア。公式YouTubeにて「ウクライナ危機、現地ルポ」シリーズを公開中。

 

【「ウクライナ危機、現地ルポ」第11弾 ウクライナ首都 テレビ塔砲撃の現場 ロシア潜入部隊の痕跡 そして核の威嚇と原発攻撃 広がる市民の疑心暗鬼】

 

 

 

※次ページ 画像 閲覧注意:地面には血だまりが残っていた【8bitnews】提供「ウクライナ危機、現地ルポ第11弾」より

キエフ市民「プーチンに感謝」と皮肉。一方、親ロシア派地域出身者の心境は…8bitNews現地記者が取材

2022.03.02 Vol.web original

 ジャーナリストの堀潤氏がニュースメディア「8bitNews」の公式YouTubeにて、戦闘が続くウクライナの首都キエフから届いた現地ジャーナリストによるリポートを配信。第9弾の最新リポートでは、親ロシア派支配地域ルガンスク出身の男性に取材。複雑な心境を伝えている。

 8bitNewsでは、ロシアによるウクライナ侵攻前夜の2月23日から、現地入りした香港人ジャーナリストKaoru Ng氏による現地リポートを公式YouTubeにて配信。

 1日に公開された第9弾では、親ロシア派地域の住民がウクライナからの独立、建国を宣言したルガンスク人民共和国出身の男性を取材。貴重なインタビューをリポートしている。

 Kaoru氏から「ウクライナの勝利を望んでいるか」と聞かれた男性は「いいや」と回答。ウクライナに否定的なのかと確認されると「私の国で戦ってほしくないだけだ。戦争をしてほしくない。座って話し合ってほしい」と複雑な心境をのぞかせながら、早い戦争終結を望んでいた。

 また、この日のリポートでは「プーチンに感謝するよ。彼のおかげでウクライナは1つになれた」と皮肉るキエフ市民の声も伝えている。

「8bitNews」は堀氏が代表を務める、世界各地の市民記者による情報を発信するニュースメディア。公式YouTubeにて「ウクライナ危機、現地ルポ」シリーズを公開中。

【「ウクライナ危機、現地ルポ」第9弾 親ロシア派支配地域 ルガンスク出身の男性にインタビュー】

 

「ヨーロッパもアメリカも言葉だけ。21世紀に戦争なんて馬鹿げている」8bitNewsがキエフ市民の失望を現地リポート

2022.02.27 Vol.web original

 ジャーナリストの堀潤氏がニュースメディア「8bitNews」の公式YouTubeにて、戦闘が続くウクライナの首都キエフから届いた現地ジャーナリストによるリポートを配信。27日未明までに、8本の現地ルポ動画を公開している。

 23日に、緊急ライブ配信として公開したルポ第一弾では、ゲストの軍事ジャーナリスト黒井文太郎氏の解説と合わせ、現地入りした香港人ジャーナリストKaoru Ng氏ともライブでつながり、静まり返る市街の光景や、市民の不安の声をリポート。

 以降、刻々と状況が深刻化するキエフの様子を、Kaoru氏による現地ルポを通して伝えている。Kaoru氏は香港からロンドンに逃れ活動するジャーナリスト。19日にキエフ入りし、これまでに、空襲警報が鳴り響く市街地や空爆の様子、避難する市民の声、市民が武装する現状などを伝えている。

 27日に公開された第8弾では、24日から続く避難民による渋滞の様子や、避難途中の市民の声を取材。リヴィウ市を経由してポーランドのワルシャワを目指すという男女は「戦争になるなんて誰も予想していなかった。21世紀に戦争なんて馬鹿げている」「安全になったら戻りたいが、いつになるか分からない」と、困惑と不安を口にした。

 Kaoru氏から「ヨーロッパの人は助けてくれるか」と聞かれると「助けてくれているように見えるけどそうではない。アメリカ政府、とくにバイデン大統領は全く積極的ではない」と失望の表情。世界に伝えたいことは、と聞かれると女性は「今はそれより大事なことがある。どうしたら生き残れるか考えないと」と焦燥を見せ、男性は「ヨーロッパが手助けしてくれるというのは言葉だけじゃないと信じていた。今あるのは希望だけ。ウクライナ軍を信じている」と答えた。

 この日のリポートでは、閑散とした市街地で抵抗旗を持ってたたずむ男性の姿も。男性は「この行動はウクライナ人が抵抗を表明していることを象徴している」と語っていた。

「8bitNews」は堀氏が代表を務める、世界各地の市民記者による情報を発信するニュースメディア。公式YouTubeにて「ウクライナ危機、現地ルポ」シリーズを公開中。

 

【8bitnews】「ウクライナ危機、現地ルポ第8弾」

 

SPECIAL INTERVIEW 堀 潤さん『8bitNews』主宰

2013.12.22 Vol.607

新しいことを進めようとすると、旧体制からやいのやいのと言われるのはどこも一緒だが、実は旧式のシステムと旧式の考え方で回っているところが多いメディアの世界は、特にそういう傾向が強いかもしれない。ウェブ上のニュースサイト『8bitNews』の主宰であるフリージャーナリストの堀潤氏は新しいメディアの在り方を根付かせるため、今日も奮闘する。

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