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アーティストの競演が新たなアートを生み出す「リボーンアート・フェスティバル 東京展 そこで何が起きていたのか?」

2017.11.22 Vol.700

 今年の7月22日から9月10日まで、宮城県石巻市・牡鹿半島を中心に開催された東北初のアート、音楽、食の総合芸術祭〈リボーンアート・フェスティバル2017〉。国内外の多彩な現代アーティストが参加し、現地でも好評を博した同イベントから、石巻市・牡鹿半島での展示を再構成してワタリウムで展示する。

 2011年3月11日の東日本大震災から6年。海岸に高さ約6メートルもの巨大な防潮堤が建設されている牡鹿半島。甚大な被害を受け新しく生まれ変わろうとするこの地で、アーティストたちは何を見、どんな思いを作品に託したのか。石巻の市街地や牡鹿半島の豊かな自然の中で繰り広げられたさまざまなアートの試みは、どんな光景を生み出していたのか。本展では、その光景を追体験することができる。

 本展では、宮永愛、名和晃平、青木陵子+伊藤存、カールステン・ニコライらの作品展示と、チン↑ポム、JR、増田セバスチャンらのドキュメントを展示。計31組のアーティストの作品が集う。

 また、会期中は関連イベントとして食事会やお茶会など、総合芸術祭ならではのイベントも実施(要予約。詳細は公式サイトにて)。
 現地に行けなかった人も、展示を通して“復興の今”を見つめてみては。

“日本にハマった”西洋絵画の巨匠たち「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」

2017.10.24 Vol.699

 西洋絵画の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホと日本とのつながりに注目し、2部構成でその相互関係を探る展覧会。ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクトとして開催されるのは日本で初めてのこと。

 黒船来航の1853年に生まれたファン・ゴッホ。開国した日本からは大量の美術品が外国に出ていくことになるが、鎖国中も日本と交易のあったオランダで生まれ育った彼にとって、日本美術はまったく縁遠いものではなかったとみられるが、ファン・ゴッホが日本や日本美術に強い関心を持つようになったのは1886年にパリに出てきてからのこと。

 本展は「第1部 ファン・ゴッホのジャポニスム」「第2部 日本人のファン・ゴッホ巡礼」の二部で構成。第1部では、国内外のコレクションから厳選したファン・ゴッホ作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点で、彼が日本からどんな影響を受けどんなイメージを抱いていたのかを多角的に検証。第2部では最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいた約80点の豊富な資料によってたどる。当時からファン・ゴッホに魅了されていた日本人の姿に思いをはせることができる。

“日本にハマった”西洋絵画の巨匠たち「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」

2017.10.19 Vol.699

 江戸時代後期の代表的浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)を切り口に、19世紀後半に日本美術が西洋に巻き起こした“ジャポニスム”という現象を読み解く、世界で初めての展覧会。

 狂歌本や読本挿絵、『北斎漫画』に代表される絵手本などの版本、錦絵版画、肉筆画など多くの作品を残し、特に「冨嶽三十六景」は浮世絵における風景画のジャンルを確立させた代表傑作として知られる。

 今なお日本のみならず海外にも愛好家を持ち、世界中のアーティストにインスピレーションを与えている北斎。本展では、北斎をはじめとする日本美術の影響を見て取れる、西洋芸術の優れた作品を一挙紹介。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ西洋芸術の名作約220点と、北斎の錦絵約40点、版本約70冊の計約110点(出品点数は予定、会期中展示替えあり)が集結。

 異文化との出会いで花開いた西洋美術の傑作と、そのひらめきを生んだ原点の魅力を見比べながら楽しむこともできる、またとない機会だ。

“一夜限りの”アートの饗宴!『六本木アートナイト 2017』

2017.09.29 Vol.698

今年のテーマは『未来ノマツリ』
 六本木の街で一夜限りのアートの饗宴が繰り広げられる『六本木アートナイト』が今年は9月30日から10月1日に開催。今年は「未来ノマツリ」をテーマに、アジアを中心に世界中から彩り豊かなアートやパフォーマンスが集結する。

 メインプログラムのアーティストを務めるのは写真家・映画監督として幅広く活躍する蜷川実花。今回のテーマ「未来ノマツリ」に共鳴した、蜷川テイストあふれる複数のインスタレーションを発表する予定。

【ART】平敷兼七の写真展「沖縄、愛しき人よ、時よ」開催

2017.09.04 Vol.697

 アメリカの統治下にある沖縄、今帰仁村(なきじんそん)に生まれ、61歳で亡くなるまで、生涯にわたって沖縄を撮り続けた写真家・平敷兼七(へしき けんしち)。

 亡くなる前年に第33回伊奈信男章を受章し、近年では、2015年にヒューストン美術館で開催された展覧会『来るべき世界の為に 1968から1979年における日本美術・写真における実験』に選出されるなど、国内外で再評価が進んでいる。

 平敷は生まれ育った沖縄の地で、確かな信頼関係を築きながら、家族、街の人、夜の女など、貧しさの中でもたくましく生きる市井の人々を撮り続けた。被写体を尊重する平敷の姿勢によって写された人々のはつらつとした姿は、当時の沖縄の空気をそのままに伝えてくれる。

 本展では平敷のライフワークといえる沖縄を記録した写真集『山羊の肺』と、1970年から80年代に撮影された、東京狛江市にある沖縄出身大学生のための寮を撮影したシリーズ「南灯寮」から選んだ作品を展示する。

“映像の未来”を探る「エクスパンデッド・シネマ再考」開催

2017.08.30 Vol.697

 東京都写真美術館の映像コレクションを軸に、映像メディアの歴史を振り返りながら未来の映像の可能性を探る映像展を開催中。

「エクスパンデッド・シネマ(拡張映画)」とは、映画館での上映のような、従来のかたちとは異なった方法で上映される映画のこと。今日では既に定着しているマルチプロジェクションやループ上映、 ライヴ・パフォーマンスをはじめ、同時代のインターメディアやアート&テクノロジーの状況と呼応しながら、 本来の映像がもつ多様性を再発見していく試みとして、1960年代半ばごろから欧米を中心に美術家や実験映像作家によって展開されていった。

 本展では「エクスパンデッド・シネマ」の誕生からさまざまな実験を繰り広げた日本の作品に着目。その独自性と先見性を同館の映像コレクションを中心に検証する。日本におけるエクスパンデッド・シネマの作品13点や歴史的な関連資料110点を紹介する。

杉戸洋 − 青木淳 展

2011.03.07 Vol.500

 美術家・杉戸洋と建築家・青木淳。アーティストと建築家のコラボが生み出す、表現の広がりを楽しめる展覧会。その青森県立美術館で4月23日から開催される開館5周年記念展「はっぱとはらっぱ 青木淳×杉戸洋展」の、さきがけとして行われる。

 建築も美術も完結することのない“テストピース”だと言う2人。本展では、日常で誰もが目にするものを使って、ギャラリーを“スタディー空間”にする、ユニークなインスタレーションを披露する。作品は完成すればおしまい、ではなく、使う人や見る人によって、常に少しずつ生まれるもの…そんな作り手の思いを共感できるはず。

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