レズ風俗。
永田カビさんの「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」や、関西のレズ風俗店である「レズっ娘クラブ代表御坊さんの「すべての女性にはレズ風俗が必要なのかもしれない。」、どちらも読んでいたし、レズ風俗というものの存在は知っていました。
前者はとても共感できる話だし、後者は女性向けサービスを運営する者として非常に興味深い内容のつまった本でした。
でもまさか自分が行くことになるとは。
女性が苦手だし、女体に性的興奮を覚えることもないし、自分は完全にノンケである認識があったので、抵抗のある世界でした。
でも会社命令ならば……。
せっかくなので信頼できそうな相手がいいと思って、お店のプロフィールやキャストさんのTwitterなどをいろいろ見て、「この子なら信頼できるかもしれない」という方を選びました。
私が選んだコースは、デートコース+ヘルスコース、最初は二人でカフェに行きました。
友達も少なくだいたい一人で行動している私にとっては、もうこの時間も苦痛でした。
何話せばいいのか、どうしたらいいのか、客だからソファ側に座るべきなのか椅子でもいいのかとか、本当にしょうもないことを悩みながら。
女性を目の前にして、自分の気持ちよりも相手が何を求めて何をすべきなのかを考えている自分、というのを改めて認識して、すごく嫌になりました。
とはいえ、相手はプロ、当たり障りのないことから、利用した理由など会話をつないでくれて、一時間のデートはあっという間でした。
その後ホテルへ向かい、入室。
シャワーを浴びてベッドへ。
正直、したいこともないしどうしたらいいのか全然わかりません。
なんとなく性感帯など伝えて、相手にお任せにしてました。
レズ風俗のキャストっていうと、「女しか知らない快感を教えてあげるわよ!」という中性的なイメージだったんですが(勝手にすみません…)、私が出会った彼女はふんわりしていてとても女性的で、デートのときもプレイのときもいつも同じ目線にいてくれた。
そんな彼女の、まっすぐ目を見て話してくれるところ、私としっかり向き合ってくれるところ、自分に自信があって生き生きしているところに私は惹かれていたようです。
だから、私に対して気持ちよくしてくれようとしている彼女に、触れたい、と素直に思ってしまいました。
「彼女もしてくれてるから私も応えなきゃ」という気持ちではなく、自分からしたくなった。
ヘルスの時間はあっという間で、正直物足りなさも感じましたが、このレズ風俗での経験を通して、私は全女性が苦手というわけではないということを知りました。
母に愛されたことがない、だから、女性に愛されるということを知らなかった。
愛されないから自分から遠ざけていたけど、本当は愛されたかった、母に、女性に、人間に。
彼女との出会いで、私は人に愛されてもいいのかもしれないと少しだけ思うことができて、でも同時に今までの生きづらさを思い出し、嬉しさと悲しさでいっぱいになりました。
そして、多分私はバイです。
相手に対しての「好き」という気持ちが、男性に対しても女性に対しても変わらなかった。
ただその好きの形式が私の場合、「付き合いたい・結婚したい」ではなく、「触れ合いたい・セックスしたい」ということだというだけで。
一般的とされているルートとはそれているけど、私自身の「好き」が確認できて、年明けから世界がひっくり返るような体験をしてしまったのでした。