日本オリンピック委員会(JOC)は6月27日、東京都内で評議員会を開き、山下泰裕全日本柔道連盟会長ら27人の理事就任を承認した。その後の臨時理事会では、山下氏が互選により新会長に選出され、2020年東京五輪に向けた新体制が発足した。
山下氏は記者会見で「責任の重さを痛感している。東京五輪を成功に導かなければならない」と抱負を述べた。
山下氏は柔道の全日本で9連覇を達成し、1984年のロス五輪無差別級では金メダルを獲得。国民栄誉賞を授与されるなど日本柔道界のレジェンド的な存在。
山下新会長の誕生は、東京五輪招致をめぐる不正疑惑でフランス当局の捜査対象となっている竹田恒和前会長の退任によるもの。
その不正疑惑により組織として機能不全に陥っていることが露呈されたJOCの立て直しを任された格好となった山下氏だが、就任のあいさつで「私一人にできることは限られている。(新役員)それぞれ役割を明確にし、みんなで努力していきたい」と語るように山下氏一人でできることではない。
新たな船出の日に東京五輪の組織委員会の森会長が「もういっぺん、JOC、スポーツ協会が一本化したらいろんな意味でいいなと思っている」などと発言するなど前途多難を感じさせるが、山下氏の手腕に期待したいところだ。