アメリカで最も権威のある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門を、柳美里著『JR上野駅公園口』(河出書房新社)の英語版『Tokyo Ueno Station』(モーガン・ジャイルズ訳)が受賞した。翻訳文学部門は2018年に新設され、多和田葉子著『献灯使』の英語版 『The Emissary』(マーガレット満谷訳)が日本の文学作品として36年ぶりに受賞。今回の受賞はこれに続く快挙だという。出稼ぎのために上野駅に降り立った福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の男の生涯を通じ、高度経済成長の光と闇、社会の片隅に追いやられた人々を描く。受賞直後に文庫版がAmazon.jpの書籍総合ランキング1位を獲得するなど話題を呼び、発行元は文庫版と単行本それぞれ緊急重版を決定した。
【今すぐ読みたい話題の本】柳美里『JR上野駅公園口』英語版が「全米図書賞」の快挙
2020.12.31
Vol.736