大分県は、日本の法律で婚姻が認められていない同性同士のカップルに対し「家族と同等であると認める」パートナーシップ制度を2024年4月より導入する。現時点においても県内の18基礎自治体のうち6自治体でパートナーシップ制度が導入されていたが、今回、県内の自治体間の格差を埋めるため、県単位での制度が導入することとなった。今後は、大分県内のすべての住民が制度の対象となり、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくなる。
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ゲイである監督自身の体験を描いた壮絶な海兵隊の訓練と、母親との人間模様『インスペクション ここで生きる』は、噂に違わぬ凄い映画だった!【黒田勇樹のハイパーメディア映画鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。連日の猛暑の中、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今週の土曜日、ついに『JーBOTケロ太』が最終話となります。
見逃し配信もやってまして、これまで10話放送してますが1話だいたい13分くらいなので全部見ても2時間強です。こんな暑い中、外に出かけるくらいなら涼しい部屋でケロ太の見逃し配信なんていかがでしょうか?
では今週も始めましょう。
【明日何観る?】『エゴイスト』
高山真の自伝的同名小説を『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』の松永大司監督が映画化。主人公・浩輔役に幅広い役幅で絶賛相次ぐ鈴木亮平。浩輔の恋人となる龍太役には『グッバイ・クルエル・ワールド』『レジェンド&バタフライ』、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」など話題作への出演が続く宮沢氷魚。
STORY:14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごした浩輔だったが、今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、自由な日々を送っている。ある日、浩輔は母を支えながら暮らすパーソナルトレーナー龍太と出会い、引かれ合うが…。
フィリピンハーフのゲイ青年が主人公“多様性”の過渡期を骨太に刻んだ映画『世界は僕らに気づかない』に、気づいて!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
2022年ももうすぐ終わりです。今年も多くの方々に支えられて、いい仕事ができた1年でした。来年もよろしくお願いします。
そして、年が明けてからこのコラムをご覧になる方もおられるかもしれないので、そんな皆さんには昨年はお世話になりました。以下同文で!(笑)
では今週も始めましょう。
同性カップルらが国を訴えた裁判で東京地裁が「違憲状態」と判断。原告側は「パートナーが異性であっても同性であっても、価値のあること」
同性同士の結婚が認められないのは憲法違反だとして、都内に住む同性カップルらが国を訴えた裁判の判決が30日、東京地裁で言い渡された。
東京地裁は原告側の請求を棄却したものの、同性カップルに対する法的な制度がないことは「重大な脅威で、個人の尊厳に照らして合理的理由はない」として、憲法24条2項に「違反する状態」との判断を示した。
判決が言い渡されるのは、札幌地裁、大阪地裁に続き、今回が3件目。昨年3月の札幌地裁では憲法14条の「法の下の平等」に違反するとしていたが、今年6月の大阪地裁では違憲性を認めず、司法判断が分かれていた。
原告の一人、大江千束さんは「もっと突っ込んでほしい思いはありますが、憲法24条2項について違憲状態であるという解釈ができるのは大きな前進。ほっとしています」と話した。広橋正さんは「パートナーが異性であっても同性であっても、家族として築いていける、価値のあることだと、裁判所は認めてくれたのかなと思う」と安堵の表情を浮かべた。
“結婚の自由をすべての人に”をスローガンに、2019年2月以降、東京、札幌、名古屋、大阪、福岡の5つの地方裁判所・高等裁判所で争われている同様の裁判。現行の制度は憲法が保障する「婚姻の自由」(24条)や「法の下の平等」(14条)に違反するとして、全国の同性カップルらが国に損害賠償を求める訴訟を起こしている。
LGBTQについて語り合う場 短編映画上映会『Be Yourself』が川越で開催
LGBTQをテーマにした短編映画上映会『Be Yourself』が12月3日に埼玉・川越の最明寺で行われる。
『Be yourself』をテーマに自身ががありのままの世界でいられる、幸せの形とは何か?を考えるといったイベント。地方では都心に比べてLGBTQ当事者のコミュニティーが小さく、地元愛があっても、生きづらい思いを抱えている人が多い実態がある。地元に暮らす当事者やLGBTQの啓蒙活動をされているゲストを招き、LGBTQをテーマとした映画をきっかけに、地元活性化や各地域のLGBTQについての取り組みの話などを聞くといった内容。
“成”りたい“人”になる「虹色の式典 in 彩の国さいたま~第6回LGBTQ成人式~」開催
昨年はオンラインで開催され、今年は埼玉県川越市で「虹色の式典 in 彩の国さいたま」が11月3日(木/祝)に開催される。本イベントは性的マイノリティ当事者をはじめ、誰もが「“成”りたい“人”になる」をメインテーマとしている。参加者による「成人のことば」や、ドラァグクイーンで歌手やライターで活躍するエスムラルダ氏、ちふれグループLGBTQ+アンバサダーを務める櫻木彩人氏のトークセッション等を通じて、埼玉県において多様な性の理解をさらに深め「成りたい人になる」を参加者全員で祝福し合うことを目指し毎年開催している。
また、会場となるウェスタ川越交流広場および、ウニクス川越にぎわい広場では「SDGsアクションフェスタ2022」も開催される。同イベントもLGBTQに理解がある企業がブース出展しており、LGBTQの一層の啓発を目指す。
生理、避妊、妊娠、中絶、産後うつ。女性のリアルを描く映画『セイント・フランシス』が問うもの
34歳独身、大学中退、キャリアなし。レストランの給仕として働くブリジットは、ことあるごとに周囲から自分に向けられる同情的な視線に悩み、「30代半ばで何をすべきか」と検索する毎日。そんなうだつのあがらない日々を過ごすブリジットのもとにナニー(子守り)の短期仕事がやってきて――。
“難しい・かわいそうな役=マイノリティ”じゃない 特別視しない世界『モザイク・ストリート』の挑戦
〝ストレートの俳優がゲイの役やトランズジェンダーの役を演ずる事を「難しい役どころ」とか「挑戦的な役」とか表現するの、マジでいい加減ににやめましょう。別に演じる事自体は悪くないけど「難しい役どころ」扱いにするのは、本当にその人生を歩んでる人達に失礼極まりない。宇宙人じゃねえんだから。〟
そうTwitterに投稿すると、瞬く間に1万を超える“いいね”の反響を呼んだ。つぶやいた主は、『ラスト・サムライ』、『ピンクパンサー2』、『硫黄島からの手紙』など超大作に出演する、日本人ハリウッド俳優の松崎悠希さん。
ロサンゼルスで人種的マイノリティ俳優として20年間ハリウッドを見てきた先駆者だからこそ、作品の中で描かれるマイノリティ像に対して黙っていることができなかった。
「日本の映画やテレビ業界のキャスティングにおける多様性の常識を根本的に変えなければいけないと思いました」
その意思のもと、松崎さんは今年2月、多様性がすでに受け入れられた後の日本を舞台にした探偵ドラマ『モザイク・ストリート』を、Youtube上で公開した。
多様性がすでに受け入れられた――。これが意味するところは、登場人物の人種、民族、障がいの有無、性的指向、性表現、性同一性といった要素が、ストーリー上で特別視されず、それぞれのキャラクターが、それぞれの属性を保ったまま、「すでに社会に受け入れられた状態」で登場するということだ。
実際、『モザイク・ストリート』は、主人公である私立探偵のトランスジェンダー女性である徳留隆徳を、自身もトランスジェンダーの女優であるKOTAさんが演じる。さらには、主人公の右腕的な存在であるレズビアンの安藤真由美を、レズビアンの女優であるAmi Ide(アミ・イデ)さんが演じ、助手のミックスルーツの日本人女性・御手洗若葉を、ミックスルーツの日本人女優Ema Grace(エマ・グレイス)さんが演じている。あるがままに、である。
LGBTQを自分ごとにする映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき』をにじいろシネマで上映
2019年に公開され映画誌やSNSで「ドラマを超えたストーリー」「驚きのエンディング」「新たな真実が描かれる」など話題となったドキュメンタリー映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』のダイジェスト版をLGBTQ啓発イベント「にじいろシネマ」にて上映される。
「にじいろシネマ」は、レインボーさいたまの会が、令和3年度さいたま市男女共同参画推進センター公募型共催事業として、LGBTQをテーマとした映画鑑賞会(4回シリーズ)。今回は、当シリーズ最終章として同作品を2月19日(土)19時30分よりZOOMによるオンライン上映することとなった。
STORY…女の子として生まれ、男の子として生きたいと望んだ空雅(たかまさ)。果敢に身体を変え、戸籍も男性に戻した。でも男でもなかったとしたら? 心と体が一致しない不具合を感じつつ、心を開き、社会へと飛び立っていった空雅さんが出会ったのは、世界最高齢で性別変更した95歳のチェリスト・八代みゆきさん(男→女)、男と女に二分される性に違和感を感じ、自ら「X ジェンダー」※であることを明かして、生と性の多様性を伝える中島潤さん(26歳)。様々な人とふれあうなかで浮かび上がってきたのは、性という枠組みでは括りきれない、多様で豊かな人生。そして、映画の最後で下した決断は驚くべきものだった―――。
※「X ジェンダー」とは?… 身体的性別に関わらず、自身の心の性別を男女の「どちらでもない」「どちらでもある」「中間である」「流動的である」などと自認している人の総称。
同性婚が合法化された台湾のドキュメンタリー映画『愛で家族に〜同性婚への道のり』の特別上映会
埼玉県を中心にLGBTQに関する啓発活動をおこなっているレインボーさいたまの会。同会は、同性を含めたパートナーシップの認証制度や、性的少数者に関する困難解消を求める政策制度の実現に注力しており、これまでに埼玉県内で20の自治体でパートナーシップ制度を導入の実績がある。(※2022年4月1日までに新たに15自治体、計34自治体で導入の予定)
今回は、アジアで初めて同性婚が合法化された台湾の同性カップルの生活を取り上げたドキュメンタリー映画『愛で家族に〜同性婚への道のり』の特別上映会が、2022年1月8日(土)に開催される。参加費は無料で、芥川賞作家・李琴峰氏と明治大学法学部教授の鈴木賢氏のトークショーも行われる。この機会に「同性パートナーシップ制度と同性婚の違い」や「日本の未来の姿」について学んでみては。