舞台『笑の大学』のフォトコールが7日、PARCO劇場にて行われ、本編の一部シーンが報道陣に公開された。
1996年の初演以来、海外でも上演され続ける三谷幸喜による傑作舞台。三谷幸喜自身の演出で約25年ぶりに上演される。検閲官・向坂睦男(さきさか むつお)役に内野聖陽。劇団「笑の大学」の座付作家・椿一(つばき はじめ)役に瀬戸康史。
物語の舞台は戦時色が濃厚になる昭和15年。非常時に喜劇など断じて許さないと、舞台を上演中止に追い込もうと台本に無理難題をつける警察庁の検閲官と、それを逆手に取りながら幾度も台本を書き直し、上演許可をもらおうと奮闘する喜劇作家の攻防を描く。
この日のフォトコールでは、7日間の物語のうち、5日目と6日目のシーンを公開。
内野が演じる検閲官・向坂睦男と、瀬戸が演じる座付作家・椿がテンポの良い掛け合いを重ねながら、ともに作品を仕上げていく喜びに没頭していく様子を熱演。
丁々発止の掛け合いで笑いをさそいつつ、その中で2人の間に温かな変化が生まれていく様子を、瀬戸と内野が息ぴったりに紡いでいく。十分に引き付けられた観客は、やがて訪れる運命の時に大きく心を揺さぶられるはずだ。
三谷をして「内野さんの“向坂”が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まった」と言わしめた内野は「三谷さんは僕らの芝居を見上が羅、今回の二人にしか出せない面白さを探してくださって、僕らに合わせて現場でセリフがどんどん変わっていくのがうれしく感じました。瀬戸くんとはセリフの掛け合いが日々面白くなり、信頼関係もバッチリできたように思っています」とコメントを寄せた。
椿役の瀬戸も、内野との共演に「初共演の内野さんとは、最初はお互い様子を伺いつつ話をしたり、ストレッチしながら台詞を合わせたり。そして稽古を通じて距離を縮めていき、今では、大変な時も楽しい時もともに味わった大切な相棒だと勝手に思っています(笑)。なんだかこれは、向坂さんと椿さんが台本直しを通じて感じていくことと近いような気がしています。年齢や立場をなしにして人間同士が認め合っていく。こういう人間関係、あこがれます」と大きな手ごたえを感じている様子。
四半世紀ぶりに本作の演出を自ら手掛ける三谷も、作品への思い入れを語りつつ「演じる役者さんは、今、僕がもっとも信頼している二人。内野さんは、ああ見えてとても繊細。瀬戸さんは、ああ見えてとても大胆。年齢も個性も全く違う二人が、丁々発止とやり合う2時間弱の演技バトル。一秒たりとも飽きる所がありません。作った本人が言っているのですから、間違いない」とコメントを寄せた。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』は2月8日から3月4日まで渋谷・PARCO劇場にて上演。新潟、永野、大阪ほか順次公演。