東京・銀座のアルマーニ / リストランテでは、フードロス食材を取り入れたコースメニュー「LOSS FOOD MENU」を提供している。不揃いや規格外となった野菜など、廃棄される予定だった食材を全メニューに使い、食材の有効活用や環境への配慮を目指す。
国内で飲食可能な状態で廃棄される「食品ロス」は、年間600万トンに上る。これは、世界で飢餓に苦しむ人々に向けた食糧援助量の約1.5倍に相当し、大量の食材廃棄が社会問題化している。昨年からは、新型コロナウイルスによる外出自粛により、飲食店が休業や時短営業を余儀なくされたことで、食品生産者は大量の余剰在庫を抱えることとなり、フードロスはますます加速した。こうした問題を改善するため、アルマーニ / リストランテでは、今年3月から「LOSS FOOD MENU」をスタート。春メニューに続く第二弾では、肉料理と魚料理の2つを楽しめる、ダブルメインの夏コースを提供する。
メニューは、全部で7品。「大根のフラン」や「カプレーゼ2021」、「スパゲット 赤ピーマンとグリーンソース」、「金目鯛 枝豆 ライムの香りのコンソメ」、「あか牛外もも肉 なすのテクスチャー」、「酒粕 メロン」、「煎茶 シトラス」、「カフェ プティフール」と、アミューズからデザートに至るまで、個性あふれる彩り豊かなメニューが並ぶ。
食材には、傷や変形で市場で販売できなかった、岐阜県産の大根やトマト、コロナ禍による飲食店の閉店や時短営業で出荷先を失った、静岡県産の金目鯛、低温調理すると美味しいが、調理に技術が必要なため「部位ロス」となった、熊本県産の牛肉の肩や外ももなど、味や品質に問題のない全国の食材たちを使用。調達には、昨年、フードロス食材の有効活用を目的に設立された「FOOD LOSS BANK」の協力を得た。