2021年よりドイツ戯曲を立て続けに7作品上演した深作組が〈ドイツ・ヒロイン三部作〉第二弾として『ルル—地霊・パンドラの箱—』を上演する。『ルル』 は『地霊』『パンドラの箱』の二篇からなる、時代に翻弄されながら男たちを破滅させてゆく娼婦「ルル」の愛と堕落を描くフランク・ヴェデキントの野心作。19世紀末の発表当時、何度も上演禁止となった問題作でもある。
「地霊」「パンドラの箱」はアルバン・ベルクのオペラでも有名で、日本では2005年に秋山菜津子がルルを演じている。
今回は深作組作品の翻訳で第16回小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞した大川珠季が新たに翻訳し、演劇やオペラ、映像作品など多彩なジャンルで活躍する深作健太が、今までの作品同様、現代社会が抱える問題をえぐる挑戦的な演出で作品化する。
出演は主役ルルに、深作組では『火の顔/アンティゴネ』(2023)などに出演した大浦千佳、ルルと兄妹のように育つアルヴァ役に、今作品が初舞台の人気声優・市川蒼、シゴルヒ役に映像や舞台で活躍する萩野崇、そして深作組常連の宮地大介、七味まゆ味、葉山昴、小田龍哉、小林風花が脇を固める。