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TIFFグランプリはコソボの女性監督作!ユペール審査委員長も映画祭の多様性を評価

2021.11.08 Vol.Web original

 第34回東京国際映画祭クロージングセレモニーが8日、TOHO シネマズ日比谷にて行われ、コソボの女性監督カルトリナ・クラスニチによる『ヴェラは海の夢を見る』が東京グランプリ/東京都知事賞を受賞した。

  コンペティション部門では、多様な国々の作品が受賞。観客賞を受賞した『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟監督は「東京国際映画祭に参加して4年。この重みを感じるのは初めてです」とトロフィーを握りしめ、ときおり声をつまらせながら感激のスピーチ。また、イザベル・ユペール審査委員長は、受賞には至らなかったが優れた評価を得たスペシャルメンションとして、松居監督やキャストの伊藤沙莉らをたたえた。

 また、受賞後会見に登壇した松居監督は、急きょ表彰されたスペシャルメンションの受賞に「作られた賞とは別に、ユペールさん始め審査員の方々の思いによって作られた賞なのかなと、ジーンと来てます」と感激。

 メキシコのカルテルが人々の生活に影響を及ぼしていく様子を描き、審査委員特別賞を受賞した『市民』のテオドラ・アナ・ミハイ監督は「本作は7年かけて作った作品。非常にデリケートなテーマですがメキシコではタイムリーなものです。この作品を通して海外の方にメキシコの現状を知ってもらえれば」とビデオでコメントを寄せた。

細田守監督も驚き! ポン・ジュノ監督「韓国で大コケした」デビュー作が日本で大ウケだった思い出明かす

2021.11.07 Vol.Web original

 現在、開催中の第34回東京国際映画祭のイベント『アジア交流ラウンジ ポン・ジュノ × 細田守』トークシリーズが7日、開催され、ポン・ジュノ監督と細田守監督がオンラインで、熱い映画トークを繰り広げた。

 ポン・ジュノ監督がアカデミー賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』の宣伝で来日したときに対談して以来、2年ぶりに語り合うという2人。

 現在、新作撮影準備のためロサンゼルスに滞在中のポン監督は「細田監督も先日まで『竜とそばかすの姫』のアメリカ公開に向けた準備のためにロサンゼルスにいらっしゃったそうですね。私も最近、拝見しましてすごい大作だと思いました」と細田監督の最新作を絶賛。

 ポン監督の熱心な考察や質問に細田監督も「光栄です」と感激。一方、ポン監督が「実は生まれた初めて作った作品は短編のストップモーションアニメだったんです」と明かすと驚きながら「納得です。ポン・ジュノ監督の作品に流れるアニメーションのスピリットを感じていました」と親しみをあらわに。

 

東京に映画の祭りが大集結!東京国際映画祭、東京フィルメックス、SSFF & ASIA、HIBIYA CINEMA FESTIVAL<2021「秋の映画祭」特集>

2021.10.20 Vol.746

第34回東京国際映画祭

 昨年に続きまだコロナ禍の影響が続くなか、TIFFでは「映画館で映画を観る喜び」を伝えるべく、検温をはじめとする感染対策を徹底したうえで映画館でのフィジカルな上映を基本に映画祭を開催。

 また今年はSDGsの活動にも、より積極的に取り組み、環境への配慮の他にも、世界の映画業界の男女平等を推進する「Collectif 50/50」という国際活動にアジアの映画祭として初の署名。2021年9月1日時点で、スタッフ80人中女性が約6割を占めている。

 従来のような海外映画人の来日イベントは今年も難しいが、オープニング作品のクリント・イーストウッド監督最新作『クライ・マッチョ』をはじめ、厳選された映画たちが世界各国から集結。

 注目のコンペティションには113の国と地域から寄せられた1533本から15作品が選出。日本映画からは池松壮亮、伊藤沙莉共演、松居大悟監督のラブストーリー『ちょっと思い出しただけ』が出品される。

 日本公開前の最新作をプレミア上映する〈ガラ・セレクション〉ではウェス・アンダーソン監督の最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』やベネディクト・カンバーバッチとジェーン・カンピオン監督がタッグを組んだ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』など最新の話題作が勢ぞろいする。

写真左:第34回東京国際映画祭フェスティバルアンバサダーは女優・橋本愛
写真右:コンペティション部門国際審査委員長はフランスを代表する女優イザベル・ユペール © Peter Lindbergh

 

今年の監督特集は“鬼才・𠮷田恵輔”

写真:〈監督特集 人間の心理をえぐる鬼才 𠮷田恵輔〉では松山ケンイチ主演作『BLUE/ブルー』などを上映©2021『BLUE/ブルー』製作委員会

 TIFFならではの部門も見逃せない。この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する〈Nippon Cinema Now〉では、最新作『空白』も話題の𠮷田恵輔監督を特集するほか、吉本ばななの名作を映画化したエドモンド・ヨウ監督作『ムーンライト・シャドウ』などを上映。他にも世界初上映10作品が集った〈アジアの未来〉、湯浅政明監督の最新作『犬王』の上映や、本年3月に逝去されたアニメーター大塚康生氏のレトロスペクティブ上映などを行う〈ジャパニーズ・アニメーション〉などもTIFFらしいセレクションを楽しめる。また、TV放映やインターネット配信等を目的に製作されたシリーズものの秀作を日本国内での公開に先駆けてスクリーンで上映する〈TIFF シリーズ〉では、松田聖子監督作品『あの風が吹いた日』などを上映。

 他にも、カンヌ映画祭カメラ・ドール受賞作『ムリナ』をはじめ世界の国際映画祭で注目された話題作や日本での公開がまだ決まっていない最新の作品などを上映する〈ワールド・フォーカス〉、森田芳光監督作『家族ゲーム』4K修復版を上映する〈日本映画クラシックス〉など、毎年人気の部門も見逃せない。

TIFF2021のビジュアルはコシノジュンコが監修

写真:撮影・伊藤彰紀(aosora)

 東京国際映画祭は、今年から、メイン会場を昨年までの六本木から、日比谷・有楽町・銀座エリアに移転。プログラマーの交代による部門改編も行い、より進化を目指す。その中で掲げられたのが3つのテーマ。「コロナを超えたその先の映画の在り方を考えていく」「国際映画祭として“国際”色を高めていく」「男女平等、環境保全などSDGsへ積極的に取り組んでいく」。これを踏まえ、今年は大きなテーマの1つとして「越境」をコンセプトに、さまざまなボーダーを越える映画祭を目指す。

 そんなコンセプトを表現する今年のメインビジュアルは、世界的デザイナー、コシノジュンコが監修。本ビジュアルについてコシノは「かっこい女性が、コロナも吹っ切れて、前に向かう、風を切って向かうというイメージ」とコメントをよせている。

『第34回東京国際映画祭』 【開催期間】10月30日(土)~11月8日(月)【会場】日比谷・有楽町・銀座地区【URL】https://2021.tiff-jp.net/ja/ ©2021 TIFF

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