日本サッカー協会が27日、都内で会見を開き、なでしこジャパン(日本女子代表)の新監督に、高倉麻子氏が就任することを発表した。
高倉氏はかつて日本女子代表の中心選手として活躍。1991年と1995年の女子ワールドカップ(W杯)と1996年のアトランタオリンピックに出場。引退後は指導者に転身し、現在U−20(20歳以下)女子代表監督を務めており、当面はフル代表と兼務となる。
高倉監督は会見でこれまで佐々木則夫監督のもとで成し遂げてきた数々の栄光を称えたうえで、自分の使命を「今まで積み上げてきたものにさらに磨きをかけて、もっと高い所に選手を連れて行くことかなと考えている。日本人にしかできないサッカーを追求していきたい。ワールドカップやオリンピックで良い成績を残すことのみならず、世界の女子サッカーをリードしていけるようなサッカーをしてみたい」と目標を掲げた。
リオ五輪を逃したなでしこにとっては2019年の女子W杯、2020年東京オリンピックが次の目標となるのだが、高倉監督は「どの大会でも目指すのは優勝。簡単なことではないが、全員がそこに向かって、全力で取り組んでいくこと、日々を生きることが結果につながっていくと思う」と語った。
先のアジア最終予選での敗退については「短期決戦の中で修正して次の試合、次の試合と臨むことができなかったかなと感じた。ボタンの掛け違いという言葉がありますが、最初にズレたことが非常に大きく、チームに影響してしまった」と分析。そしてチーム作りにおいては「チームの輪というのは、日本サッカー、なでしこジャパンには欠かせないもの。選手には明るく伸び伸びとサッカーをしてもらいたいと思うし、自分のサッカー人生に真摯に取り組んでもらいたい」と語った。
なお男女を通じてフル代表に女性監督が就くのは初めてだが、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「外国人でも日本人でも、男性でも女性でも良かった。一番勝たせるのは誰かと考えて決まった。女性であるから選ばれたわけではない」と語った。