ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。
3度目のUFC参戦を目指す宇野薫はアメリカ・カリフォルニアのMMA団体XFSのタイトルホルダーで、現在11連勝中というラージャ・シッペンと対戦。2R4分33秒、チョークスリーパーで一本勝ちを収めた。宇野は今回の勝利でVTJと修斗公式戦を通じ6連勝となった。
宇野は1R開始早々からシッペンの打撃に苦しめられる。タックルに活路を求めるもシッペンはテイクダウンを許さない。2Rに入ると、シッペンのヒジで宇野が流血。会場には嫌な予感が漂った。しかし宇野の左ストレートから形勢が逆転。タックルからテイクダウンに成功するとラウンド終了間際にバックからチョークスリーパーに移行し勝利を収めた。
試合後「UFC、格闘技をあきらめませんので、これからも応援よろしくお願いします」と挨拶した宇野は現在39歳。この日が格闘技を始めてちょうど19年目だった。
メインでは「VTJフライ級トーナメント」決勝戦、扇久保博正vsシーザー・スクラヴォス戦が行われ、5R3−0の判定で扇久保が勝利を収め、優勝を飾った。
トーナメントでマモル、神酒龍一という修斗の前と現世界王者を破ってきたスクラヴォスだったが、扇久保はあらゆる局面で圧倒。ジャッジも50−45が1人、49−46が2人という完勝だった。
扇久保は試合後、「UFC参戦の前に日本でやり残したことがある」として、DEEP王者・元谷友貴との対戦をアピールした。果たしてこの対戦は実現するのか…。
この日は初代修斗ヘビー級王者・エンセン井上の引退セレモニーが行われた。エンセンは「エンセンらしい試合ができないと失礼。大和魂を教えてもらった格闘技に、そういう試合ができないと格闘技に失礼」と引退の理由を語った。そして「いま、この会場で一番思うことは感謝。感謝の気持ちが燃えてます。プロモーターの人、照明やイスを並べたり小さな仕事をやってくれる人、最後に感謝してるのはファン。選手が忘れてほしくないのは、ファンがいなければ選手は必要ありません」と後に続く選手たちに言葉を残した。